現代のライフスタイルに調和する“祈りのカタチ”を提案
佛法堂
時代の変遷とともに、仏壇や仏具のニーズも多様化
東京メトロ銀座線の田原町駅から上野駅を結ぶ浅草通りは、通称『仏壇通り』と呼ばれ、数多くの仏壇・神仏具の専門店が並んでいます。なぜ、この地にこうした店が集まるようになったのか、その歴史は江戸時代まで遡ります。寛永2(1625)年、徳川幕府の安泰と万民の平安を祈願するため、上野の台地に寛永寺が建立。一方、隅田川で漁師の網にかかった観音様を祀った浅草寺は古くから庶民の信仰を集めていました。さらに、明暦の大火の後には、幕府の復興政策により多くの寺院や神社がこのあたりに移転。一帯は門前町として栄え、神仏具を扱う業者もこの界隈に集まるようになったことが、現在の上野・浅草通り神仏具専門店会のルーツです。
この仏壇通りをよく見てみると、店のほとんどは通りの南側に並んでいます。これは、仏壇が直射日光に当たると傷みやすく、湿度や温度の影響も受けやすいため、強い日射しを避けられるよう南側を背にして店が軒を連ねるようになったと言われています。
「佛法堂」も、この仏壇通りに店を構える仏壇仏具専門店の1つ。1976年の創業以来、この地で半世紀近い歴史を刻んできました。

店内にはさまざまなタイプの仏壇が並んでいます
「昔はご家庭に仏間がありましたので、昔ながらの伝統型仏壇が大半を占めておりました。それが、時代の変遷とともにライフスタイルも大きく変わり、お部屋のデザインも多様化しておりますので、当店でもそれらにうまく調和するような商品を取り揃えております。最近では、箱型のお仏壇ではなく、ご供養のためのスペースをコンパクトに設けられるメモリアルステージや壁掛け仏壇などを希望される方もお越しになります。ご供養のカタチも幅広いため、個々のお客様のご要望にお応えできるような品揃えを心掛けております」と販売担当の準子さんは話します。

販売担当の準子さん
確かに、現代はマンション住まいの方も多く、すべての部屋が洋間であったり、スペースが限られてしまったり、というケースは多々あります。そうした住宅事情を踏まえ、佛法堂ではそれぞれの空間に調和する仏壇選びを提案しています。
仏壇は、床に直接置くタイプと、棚などの上に乗せるタイプの2つに大きく分かれます。基本的に木製ですが、素材として使われる木の種類により色味や風合いは異なり、ツヤのある鏡面仕上げにするか、マットにするかによってもまたイメージが変わってきます。また、伝統的な仏壇は観音扉が主流でしたが、近年は扉が収納できるタイプや、元々扉のないタイプも増えているとのこと。また、座って礼拝できる椅子付きのものや、手入れがしやすい幅広の仏壇も人気だそうです。
「こちらのロングセラーの商品は、家具デザイナーが手掛けたお仏壇でご本尊の背面や扉のデザインは穏やかな波をイメージしています」と準子さんが紹介してくださったのが、下の写真の仏壇。力強さのなかに木の温もりも感じられる、気品ある佇まいが印象的です。

家具デザイナーが手掛けたロングセラーのモダン仏壇
現代の暮らしに溶け込む、デザイン性の高い仏具の数々
そして、仏壇を祀る際に欠かせないのが、仏様を供養するための道具「仏具」です。仏具は、お花を供えるための「花立」、お香を焚くための「香炉」、ローソクの灯りを灯すための「灯立」、お線香を入れておく「線香差し」、お水やお茶を供えるための「茶湯器」、ご飯を供えるための「仏飯器」、そして「おりん」が加わった7点が基本となります。現代の仏具はカラーバリエーションが豊富で、佛法堂では30種類ほど取り揃えているそうです。
「仏様の供養のしかたも変わってまいりました。故人にそばで見守ってほしいという想いから、ほんの一部を分骨してお手元で供養される方もいらっしゃいます。そういった想いに応えられるように、小さな分骨入れや遺骨が収納できるペンダント・指輪・ブレスレットなど種類豊富にご用意しております」(準子さん)
現物を見せていただくと、いずれも現代のライフスタイルにさりげなく溶け込むようなデザインのものばかり。こうして故人をずっと身近に感じられる供養のカタチは、今後もますますニーズが高まっていくことでしょう。

色やデザインも種類豊富に揃っています
「仏具の色や形については、お客様の好みのデザインをお選びいただいております。お仏壇に合った仏具を選んでほしいとご要望をいただくこともありますので、その際は、お部屋の雰囲気などを伺いながらごコーディネートのお手伝いをさせていただきます」(準子さん)
形式に縛られるのではなく、なにより大事なのは亡くなった大切な方を思う気持ち……。それこそが本当の意味での供養となるのでしょうね。
全国的にも珍しい「お位牌の即日仕上げ」
そしてもう1つ、佛法堂で特筆すべきなのが、お位牌の即日仕上げをしていること。店舗内にある自社工房で、熟練の職人が真心を込めて丁寧に文字を彫り上げ、位牌を仕上げてくれるというもので、全国的にみても非常に珍しいサービスだそうです。
「お位牌は納骨までに用意をする必要がありますが、実は、納骨日の直前になって、お位牌を作り忘れていたことに気づく方がいらっしゃいます。お寺や葬儀屋さんが用意してくれるものだと思っていた方や、ご兄弟が注文していると思っていた方などご事情はさまざまです。即日仕上げをしているところは全国でもほとんどありませんので、遠方からご注文いただくこともよくあります。先日も大阪のお客様からお問い合わせをいただき、翌日の午前に必要とのことでした。その日に仕上げて発送しても間に合わなかったため、大阪から飛行機でお越しになり、無事に仕上げたお位牌をお渡しすることができました」(準子さん)

位牌も漆塗りのものや唐木でつくられたものなどさまざまな種類があります
人が亡くなられた後は、葬儀の手配や準備に加え、さまざまな事務手続きなどやるべきことが山積みなので、位牌の準備は意外な盲点になりがちなのでしょう。位牌の即日仕上げというサービスが、全国的に高い評価を得ているのも納得です。
また、佛法堂ではそうした迅速な対応だけでなく、現代のニーズにマッチした位牌にもこだわっています。
「お位牌といえば、昔は黒塗りに金文字が一般的でしたが、最近はデザイン性豊かなモダン位牌が増えてまいりましたので、こういったお位牌に合わせた文字色をご用意しております。薄桃色や銀色といった柔らかな印象の文字色で仕上げたり、蓮の花柄を彫り入れるサービスも行っております。また、ペット用のお位牌には、ペットちゃんへのメッセージを入れることも可能です。ご要望がございましたら文字レイアウトをお送りすることもできます」(準子さん)

「オリジナルの文字色“薄桃色”は、紫檀材のお位牌ととても相性が良く、優しく柔らかな雰囲気になります」と準子さんは話します
「故人が緑色が好きだったので、グリーン系の位牌が見たい」「蒔絵入りの位牌がほしい」など、お客様のご要望も実にさまざまとのこと。そうした声に丁寧に耳を傾け、お客様ひとり一人に寄り添った接客と提案力こそ、佛法堂が選ばれる理由なのでしょう。

桜の蒔絵を施した位牌は、優しい印象です
佛法堂はモノマチにも複数回参加しており、これまで「ハスの花づくり」「白檀の数珠ブレスレットづくり」「七味唐辛子づくり」などのワークショップを行ってきました。そして、2025年のモノマチでは、「本水晶の数珠ブレスレットづくり」のワークショップを開催。当日は多くの方にご参加いただき、水晶の魅力を知っていただきました。
また、モノマチ以外にも、夏に「ハスの花盆提灯づくり」、秋に「お香づくり」などを開催したり、お寺や施設に出張してワークショップを開催したりしていますので、興味のある方はぜひ、チェックしてみてください。
佛法堂
東京都台東区寿2-7-13
TEL : 03-3841-3930
URL : https://www.oihaiya.com/
PHOTO:HANAE MIURA
TEXT:MIKI MATSUI

