知れば知るほどおもしろい! 無限の可能性を秘めた奥深きリボンの世界
COMPO 津久井 大輔さん
“リボン”と聞くと、多くの人がプレゼントのラッピングや洋服のちょっとした飾りを思い浮かべるのではないでしょうか。でも実は、それだけではないのです。私たちが知っているようで知らなかった奥深いリボンの世界について、服飾副資材の専門店「COMPO(コンポ)」営業リーダーの津久井大輔さんにお話を伺いました。
約42,000点におよぶ業界トップクラスの品揃え
浅草橋駅にほど近い、左衛門橋通り沿いに店を構える「COMPO(コンポ)」は、リボンやテープといった服飾副資材を取り扱う専門店です。ショーウィンドーを眺めつつ店内に入ると、そこで出迎えてくれるのは壁一面に整然と並ぶ色とりどりのリボンたち。リボンだけでもこれほどの種類があるのかと、その品揃えの豊富さに圧倒されます。
「弊社で取り扱っている商品は、リボンのほか、レース、テープ、コード、パイピング、ブレード、ストレッチテープなど様々な種類があり、これらは総称して “細幅織物”と呼ばれます。装飾のために使う以外にも、生地を補強したり、伸縮性を与えたりするなど見えない部分に使われるものも数多くあり、細幅織物の用途は実に多岐にわたります。それだけに、お客様が100人いらっしゃれば、100通りのご要望があるといっても過言ではありません。そうした幅広いニーズにお応えできるよう、COMPOでは約42,000点の商品を取り揃えています」と、営業リーダーの津久井大輔さんは話します。
何かと一緒になることで存在価値が見えてくる
たとえば、洋服の襟やポケットなどの縁取りに使われるニットストレッチパイピングは、実に約300色というカラーバリエーションを展開。同系色でも微妙に濃淡の違うものが揃っているため、合わせる生地に最適な色味をチョイスすることができます。
また、リボンは同じ素材、同じ色であっても、わずかな幅の違いによって印象は大きく変わります。そうした細やかな要望に応え、より満足度の高いものを提供したいという想いが、業界トップクラスの商品ラインナップにつながっているのでしょう。
「弊社の商品に共通していえるのは、単体ではなかなか魅力が伝わりづらいけれど、何かと一緒になることによってその存在価値が明確に見えてくる、ということ。社名のCOMPOは、英語で構成要素、部品などを意味する“コンポーネント”に由来するものですが、そこには、お客様とCOMPOの商品を組み合わせることによって一緒にひとつのものをつくっていけたら、という想いが込められています」(津久井さん)
パリコレにも使われるブランドのリボンが手に入る!
圧巻の品揃えを誇るCOMPOですが、その9割以上を占めるのが福井県あわら市に本社のある『SHINDO』の製品です。世界屈指のクオリティと称される同ブランドの製品は、著名デザイナーからも厚く支持されており、パリコレの作品にも数多く使用されているほど。COMPOでは、そんなSHINDOブランドのリボンを全商品取り扱っています。
「近年、結婚式に使うアイテムを手づくりする“花嫁DIY”がすっかり定着していますが、そうしたプレ花嫁さんも多くご来店いただいています。ウェディングドレスのサッシュベルトやヘアアレンジ、リングピロー用にリボンをお求めになる方々にも、SHINDOのリボンはご満足いただいています」(津久井さん)
透け感のあるオーガンジーや艶めくサテン、繊細なレースなどのリボンは、どれもうっとりするような美しさ。SHINDOの確かな技術が生み出す最高品質のリボンは、人生の一大イベントを彩るにふさわしい逸品といえるでしょう。
また、結婚式のシャワーセレモニーで、近ごろフラワーシャワーに代わって人気を集めているのがリボンシャワー。「人と人との縁を結ぶ」という縁起のよい意味が込められた蝶結びのリボンを新郎新婦に振りかけるもので、ウェディングドレスのロングトレーンに舞い降りた色とりどりのリボンがなんとも愛らしく、写真映えすることも人気の理由のようです。
そんなブライダル業界のトレンドを踏まえ、COMPOではリボンシャワーも販売しています。このリボンシャワーは、スタッフが一つひとつ心を込めて結んでいるとのこと。結婚式だけでなく、さまざまなパーティーやイベントを演出するアイテムとしても人気です。
プロのアドバイザリースタッフが最適な商品を提案
創業以来、アパレル業界への卸売りと一般向けの小売りを並行して行ってきたCOMPOですが、2021年、気軽に立ち寄りやすい店舗へと大幅にリニューアルするとともに、一般の方でも手に取りやすい小巻きのリボンも新たに展開。これを機に客層が大幅に拡大し、今では一般ユーザーが約半数を占めるまでになりました。
また、COMPOではウェブショップも運営していますが、実店舗の最大の魅力は、実際に商品を手に取って見て、その場で購入できること。さらに、すべての商品を1メートルから購入できることも、ハンドメイド好きには大変喜ばれています。
手軽に使えるアイテムとしておすすめなのが、24色を展開する「カラーリボンコレクション」です。シンプルなサテンのリボンで、いずれも3サイズ揃っており、価格もリーズナブル。色もとってもきれいなので、何色かコレクションして飾っておけば、インテリアとしても楽しめます。
また、「商品が多すぎて、自分では選びきれない」という方もご心配なく。店舗には、知識が豊富なプロのアドバイザリースタッフが常駐していて、目的に合った最適な商品を提案してくれます。
「一般の方は、どうしても見た目のきれいさや好みだけで選んでしまいがちです。でも、用途に適さない素材のものだと、結果的に扱いづらかったり、形にしづらかったり、といったことになりかねません。また、お子さんの洋服で直接肌に当たる部分に使う場合などは、なるべく肌当たりの優しいものの方が安心ですよね。なので、実際に使ったときに心からご満足いただけるよう、どんなものを作りたいのか、どのような目的で使いたいのかといったことをしっかり伺ったうえで、ご提案させていただくようにしています」(津久井さん)
創作意欲を掻き立てる仕様見本も要チェック!
COMPOを訪れた際、ハンドメイド好きな方にぜひ見ていただきたいのが、店頭で自由に閲覧できる「リボン仕様見本」。このリボンはブラウスの袖の縁取りに、このリボンは帽子のデコレーションにというように、リボンの種類ごとに具体的なアレンジ例が写真とイラスト入りでわかりやすく紹介されていて、これを見ているだけで創作意欲が掻き立てられること必至です。
「ハンドメイドはちょっと自信がなくて……」という方には、プチアレンジがおすすめ。COMPOで好みのひもを選び、靴やパーカーのフードのひもを付け替えるだけでも、手軽にオリジナルのファッションが楽しめます。
「店内には大きなテーブルをご用意しているので、ご自身の靴や洋服をお持ちいただいて、実際に合わせながら選んでいただけます。店頭に並んでいる以外の商品も、サンプル帳でご覧いただけますので、じっくりと選んで、お好みの商品を見つけていただけたらと思います」(津久井さん)
多彩なアプローチでリボンの魅力を発信
さらに、COMPOでは、リボンに好きな文字をプリントする「箔プリント」、ひもの先端が解けないようにする「金属チップ加工」、リボンのほつれ止めをする「ヒートカット加工」などもリーズナブルな価格で請け負っています。
なかでも人気なのが「箔プリント」。“Happy Birthday” “Thank You”といった定番のフレーズだけでなく、自由な言葉をプリントしてもらうこともできるので、大切な人へのメッセージをリボンにしたためてプレゼントに添える、なんていうお洒落な演出もできてしまうのです。
リボンがもつ未知なる魅力を発信するために、COMPOが積極的に取り組んでいるのが、人気アーティストやハンドメイド作家とのコラボレーション。最近では、世界的にも活躍するアートユニット『RIBBONESIA』とコラボしたリボンセット『RIBBONESIA | MAKE』を数量限定で発売し、各メディアでも注目を集めました。
「今までは非公開だったRIBBONESIAのテクニックのレシピとリボン、動画リンクをセットにしたもので、小さなお子さまでも小鳥やツリーなどのモチーフをつくることができます。パッケージもきれいなので、ギフトとしてのニーズが高いですね。リボンひとつとっても、発想や視点を変えることでまだまだ無限の可能性を秘めていると思うので、さまざまな切り口でその魅力を発信し、多くの方に喜んでいただけたらと思っています」(津久井さん)
あるときは主役に華を添える名脇役として、あるときは縁の下の力持ちとして、さまざまなシーンで活躍するCOMPOの製品たち。ぜひ、お店に足を運んで、お気に入りの一品を見つけてみてください。
COMPO
東京都台東区浅草橋1-36-5 小林ビル1F~4F
TEL:03-5687-2051
URL : https://compo-tokyo.com/
Photo by Hanae Miura
Text by Miki Matsui