• HOME
  • お知らせ
  • NEWS
  • モノマチが何なのか、いまひとつわからない人のためのモノマチ徹底解説

モノマチが何なのか、いまひとつわからない人のためのモノマチ徹底解説

NEWS

モノマチの「モノ」は何を指すのか

モノマチとは何か。そもそも「モノマチ」の「モノ」って何? わかっているようでわからない。知られているようで意外に知られていない。それがモノマチかもしれません。

公式にはモノマチは次のように紹介されています。

「モノマチとは、古くから製造/卸の集積地としての歴史をもつ東京都台東区南部エリア(御徒町~蔵前~ 浅草橋にかけての2km 四方の地域)を歩きながら、「町」と「モノづくり」の魅力に触れていただくイベント。ワークショップ体験や普段公開していない工房や工場見学、モノづくり企業同士のコラボ製品の紹介など多彩な企画が満載のイベントです」

でも、この公式の説明だけではちょっとモノマチの実態が伝わりづらいですよねここでいう「モノ」が何を指すのか、他のモノづくりの町とどう違うのか。そのあたりをもう少し詳しく解説しましょう。

モノづくりの町といえば大田区が代表的な存在ですが、この地域で作られているのは主に金属製品です。試作品やモノを大量生産するための機械の部品などを作る町工場が集結し、モノづくりの町を形成しています。作られている製品の大半は一般の消費者の目に触れることはありません。台東区のお隣の墨田区もモノづくりが盛んで多種多様な業種が集積していますが、どちらかといえば工業的なモノづくりが大半を占めています。

一方、東京都台東区南部エリアで作っているモノは生活雑貨や身の回り雑貨が中心です。ノートや手帳、革製品、小物・袋物、ジュエリーやアクセサリー、ボタン、玩具、帽子、インテリア用品。こうしたモノが日々このエリアで作られ、マーケットに送られ、あなたの手元に届き、毎日の生活を豊かに彩っています。

モノづくりの町を盛り上げるクリエイターの存在


モノマチエリアにどれほどの職人と技術、モノづくりに必要な店や企業が結集しているのか。革製品を例にあげてみましょう。

革を加工して革製品に仕上げる専門の職人は主にこのエリアで仕事をしています。サンプルを専門に作るサンプル職人、革用の抜型を作る抜き型屋さん、抜き型を使って革を裁断する裁断屋さん、革の裏面を漉いて薄く加工する漉き屋さん、革のコバ(革の端部分)の厚みを調節するコバ屋さんなど、この町に来さえすれば、革製品を完成させるために必要な職人の技術がすべて手に入ります。

職人だけではありません。革製品に必要な革包丁、革に穴を開けるための菱目打ち、ヤスリ、ハンマー、ロウ引き糸、ハトメやカシメといった金具類を扱うメーカーや問屋もこのエリアに勢揃いしています。

東急ハンズやユザワヤに行くと、レザークラフト用品が一通り揃っていますよね。あの売り場に並んでいる用品の大元をたどると行き着くのがモノマチエリア。アクセサリーに必須のキラキラした金具、洋服を可愛く演出するボタン、バッグやポーチのアクセントとなるリボンやビーズを扱う店や企業もこのエリアに集まっているのです。

さらに、このエリアの魅力を強力に押し上げているのがクリエイターの存在です。モノづくりの町の魅力に惹かれて、このエリアにアトリエや工房を構えるクリエイターが現在進行系で増加中です。

うれしいことに、モノマチを機にこうしたクリエイターが昔気質の職人や老舗企業と手を組んで、モノづくりの技術を新しいカタチで活かしたり、モノづくりの企業同士がコラボして新しい製品やサービスに踏み切ったりと、チャレンジングな試みがエリアの随所で繰り広げられています。気がつけば、カフェや雑貨店、セレクトショップなどのオシャレなお店もずいぶんと増えました。それに伴って町への来訪者数も伸びています(土日の蔵前の人出ときたら!!)。モノマチが導火線となって町を活性化し、人を呼び込んでいるのです。

モノマチは企業と町をアクティベートする「磁場」である


その意味では、モノマチは単なるイベントではありません。モノマチとは、この地域でモノづくりを営む人・店・企業を刺激し触発する「場」そのもの。ちょっと大げさに(&カッコつけて)言うと、モノづくり企業を明日に向かってアクティベートし、トランスフォーメーションを促す「磁場」でしょうか。

そして、ぜひとも知っておいてほしいことがあります。モノマチは東京都や台東区といった自治体の運営でもなければ、広告代理店やPR会社が主催するイベントでもありません。地元の台東区にはご協力をいただいていますが、イベント自体を運営しているのは、モノマチの趣旨に共鳴し、モノづくりの楽しさと町の魅力を発信するために立ち上がった参加店です。このエリアに店舗や会社、工房を構える人・店・企業が主体的に動き、モノマチやモノづくりが好きでたまらないボランティアさんたちの手を借りながらモノマチを開催しています。

100%ピュアな自主運営のモノマチでは、今回も盛りだくさんの企画を用意しています。ぜひこの「場」を訪れ、モノづくりを支えている技術、モノづくりにかける職人や企業のパッション、モノづくりのポテンシャルを感じ取ってください。その体験こそが日本のモノづくりの未来を明るく照らすのですから。