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生粋のファクトリーブランドの技術と創意工夫が光る バッグやスクールバック、ワークショップで顧客を魅了

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サラブレイス 店長
李帥旻(Lee Sumin)さん

すぐ近くの工場で職人が仕立てているオリジナルバッグ

土日はもちろん平日でも多くの人が訪れるようになった町、蔵前。江戸通り沿いにある「THOROUGH BRACE」(サラブレイス)は、オリジナルのバッグや小物類、そして楽しくモノづくりが楽しめるワークショップでたくさんのお客様を魅了している人気店です。 優雅な響きのブランド名は、馬車と馬をつなぐ大切な1本の貫革に由来しているとか。「お客様と商品と自社をしっかりと結びたい」。ロゴマークはそんな思いを伝えています。

馬車と馬をつなぐ大切な1本の貫革を表現しているロゴ。優雅な響きのブランド名です

オープンは2006年。OEMのバッグメーカーとして長く培ってきた知識と技術を注ぎ込んだファクトリーブランドとして誕生しました。店舗のすぐ近くにある工場では10人の職人たちが外部から委託された製品や「THOROUGH BRACE」の製品を手掛けています。

「店に並んでいる製品はみな、近くの工場で直参しているモノ。作ったらこちらに持ってきています。直営の牧場みたいなイメージですね(笑)」

そう話すのは李帥旻(Lee Sumin)さんです。韓国から日本に留学していた李さんは5年前にバイトとして同店に勤め始めたのがきっかけで、後に正式に社員として入社。いまでは店長として辣腕を振るっています。

留学生として同店でバイトを始め、いまでは店長として働く李帥旻(Lee Sumin)さん

「もともと革に興味があったんですよ。「THOROUGH BRACE」はイタリアや日本のクオリティの高い革を厳選して、裁断から縫製まですべて一貫して行っています。工場を近くに抱えているから修理にも対応できるしお値段も手頃だと思いますよ」

清潔感と温かみのある空間に端正な商品が美しくディスプレイされています

李さんの言葉を受けて、改めて店内を見渡し、美しくディスプレイされた製品を見ると、確かにどれも上質感があり、端正なたたずまいがあります。シンプルですがフォルムや素材の組み合わせ方には独自の個性があり機能的。価格も値ごろ感があります。

シグネチャーアイテムのバケツ型トートバッグ。マチを出したり収めたりすれば、簡単に形が変わります

そんな「THOROUGH BRACE」を代表するのがバケットバッグシリーズです。その名の通り、バケツ型のバッグですが、マチ部分を広げれば容量の大きなトートバッグに変身し、手提げにしても肩掛けにしてもちょうどいい長さのハンドルやストライプの裏地も印象的。このストライプは「THOROUGH BRACE」のバッグすべてに共通する仕様なのだそうです。

THOROUGH BRACEのバッグはすべて柔らかな印象を与えるストライプの裏地が張られています

細かなシボの型押しが高級感をもたらしている牛革バージョン、ワニやヒョウ柄のエキゾチックレザーバージョン、柔らかなレザーを手作りで編みこんだ手編みバージョン。色や素材のバリエーションを豊富に揃え、サイズも大小揃っています。

今年2月から販売をスタートした、イタリア製の革を用いたアップルウォッチ用のバンドも「THOROUGH BRACE」の魅力を雄弁に物語ります。革は18色。ベルトのバックルやコネクターといったパーツは真鍮製で色はブラックやシルバーなど4色。好みに応じて革を選びパーツを揃えれば自分らしいスタイルに仕上がります。

ベルトやパーツを変えるだけでびっくりするほどApple Watchの表情が変わると大好評!

「多くの方はアップルウォッチのベルトは買ったときについているモノをそのまま使っていると思うんです。カスタムして楽しんでいただきたいと思いました。おかげさまでとても好評です」

子どもたちの負担を軽くする機能的なスクールバッグ

窓際に並ぶスクールバッグ。軽量で機能的。いまやTHOROUGH BRACEの柱の一つに成長したシリーズです。

同店を訪れると、大きな窓ガラス前のコーナーに並ぶスクールバッグにも目を奪われます。形は間違いなくリュックセルですが、手に持つと驚くほど軽く、背負うと肩にかかる負担が少ないことを実感できます。

素材としてナイロンの約7倍の強度を持ち、引き裂きや摩耗に強い合成繊維のCORDURAを用いているので、小さな子どもにも扱いやすく、タフで頑丈です。防水性と撥水性を備えているので、雨の日の通学時も問題なくこなせるこのスクールバッグシリーズは3年前に開発されました。

「近くに蔵前小学校があって、店の前を子どもたちがよく通るんです。でもいつも『ランドセルが重そうだな』と感じていました。もっと楽に使えるスクールバッグがあってもいいのではないか。そんな発想から生まれたシリーズです」

重さは1000gしかありません。コーデュラ生地を使っているので撥水性も耐久性も高い。細かな工夫は子どもにも使いやすい!

子どもたちにとってどんな機能が必要なのか、いかにして軽量性を追求するのか、快適かつ安全に使ってもらうには何が必要なのか。バッグや小物作りのプロ集団がアイデアを出し合い、知恵を絞り持てる技術を駆使して完成させました。暗い道でも車のライトで目立つようにバッグの前面や側面、ベルト部分には反射材が配置されています。防犯ブザーを取り付けられるフックも設けられました。ふたの部分が簡単に開閉できるよう、ハンドル式や引っ張るタイプの金具が採用されているので低学年の子どもたちにも簡単に扱えます。

すでに述べたように軽量性は抜群です。重さは約1000g。肩にかかる負担を軽減するため、クッション性の高い肩ベルトを用い、背中に当たる部分には通気性の良い素材を選び、汗をかいても蒸れにくい設計を施しました。

色はブラック、インディゴブルー、レッド、オレンジ、スカイブルーの5色。男女を問わず、黒やネイビーが人気だとか。いまやスクールバッグシリーズは同店の柱のシリーズの一つ。ランドセルという新たな領域への挑戦は見事に成功を収めました。

1日に30人がモノづくりに勤しむ人気のワークショップ

「THOROUGH BRACE」の魅力を形成している要素はほかにもあります。それはレザークラフトの教室とワークショップ(1回体験)です。

レザークラフト体験と教室を案内している店頭のボード。教室は技術を着実に身に着けられると好評です

前者は、革細工の基礎から始めて、最終的には自分の個性を反映させたオリジナルの革製品の作り上げる「蔵前レザークラフト教室」。初心者でも無理なく着実にレザークラフトの技術を身につけられるプログラムが好評です。毎週土日祝に開催しているワークショップも大盛況。1回あたり10人、日に3回開かれるワークショップは毎回満席で、2ヶ月先まで予約が埋まっている状況です。

毎回定員(1日30人)がすぐに埋まる人気のレザークラフトのワークショップ。糸や針を使わずにおしゃれな革小物が完成します

このワークショップで作れるのはコインケースやカードケース、スマホショルダー、アップルウォッチバンドなど7種類。作りたいと思う革製品を選んでもらい、一から最後まで作ってもらうモノづくり体験が可能です。

こうしたワークショップはほかでもよく実施されていますが、「THOROUGH BRACE」の最大の特徴は牛革を編み込んで立体に作り上げるタイプの革製品ができあがること。針と糸を使う必要がありません。それでいて完成度の高い製品に仕上がるのです。人気が高い理由がよくわかります。

ワークショップの人気を受けてテーブルを新たに設けて定員増。大人も子どもの夢中になって革製品を作っています

「以前は1回の枠は6人だったのですが、人気を受けてテーブルを新たに入れて定員を10人にまで増やしました。でももうこれが限界かもしれません(笑)。お子さんが両親にプレゼントしたいといってワークショップに参加されるケースもありますよ」

革とのふれあい、手作りにチャレンジできる楽しさ、モノづくりをしているときの高揚感、できあがったときの達成感。多彩な喜びをもたらしてくれるワークショップや教室には「THOROUGH BRACE」ならではの技術と創意工夫が満ちています。

ワークショップや教室で市必要は道具はすべて揃っています。いつもきれいに管理されているのはさすがTHOROUGH BRACE

モノマチには2025年の今年、久しぶりに参加を決まりました。

「人手が足りなくて参加を見送っていました。でもいまは私がいるから大丈夫(笑)。本当は昨年(2024年)に参加したかったのですが、申込み時期を逃してしまって。今年は晴れて参加できました」と李さん。モノマチのワークショップでどんな企画を見せてくれるのか。今から楽しみでなりません。

THOROUGH BRACE
東京都台東区蔵前4-21−10 シャルム蔵前1F
TEL : 03-5821-6627
URL : https://www.thoroughbrace.com/

Photo by Hanae Miura
Text by FUKIKO MITAMURA

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